航空気象実況通報(METAR)について(その2)

昨日の朝7:30の羽田空港のMETARを例に解説をしています。
続き行きます。

METAR RJTT 292230Z 24006KT 200V290 9999 FEW010 BKN020 28/25 Q1012 BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990

⑥ FEW010 BKN020
雲の状況です。 例では2種類の雲の存在が確認出来ます。
雲の情報についてしっかりと説明しますが、最初の3文字は雲がどのくらいの範囲を占めているのかという程度を示します。
例は羽田なので羽田空港という地点において視界に入る空全体の大きさが8と規定します。ある1種類の雲だけが空全体の半分に、同じ高度に存在していたとしたら4/8という事になります。空全体が雲に覆われていたのなら8/8という事になりますが、この考え方を押さえて頂いて

FEW :全体の1/8~2/8の雲
SCT :全体の3/8~4/8の雲
BKN :全体の5/8~7/8の雲
OVC :全体に雲

という区分けになります。これは航空機が自由に飛行する上で制約となる雲の存在の目安を全体の半分以上という一応の目安として、半分以上の雲がある状態をシーリングがあると言っていました。ですからBKNやOVCが観測されると曇間の少ない曇り空である、飛行に制限を受ける可能性を考慮します。
後半の3文字は雲の高度です。単位はフィートですが、雲の一番低い高度、雲底高という事になります。

例 FEW010 は 1/8~2/8の雲が高度1000ft
BKN020 は 5/8~7/8の雲が高度2000ft に存在するという情報がわかります。

でも本当に必要な情報は、雲の種類なのですが、最新のMETAR 方式では省略されてしまいました。
また機会があれば説明したいと思います。

METAR RJTT 292230Z 24006KT 200V290 9999 FEW010 BKN020 28/25 Q1012 BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990

⑦ 28/25
気温と露点です。気温が28°cで露点が25°cという事です。
気温は御存知の通りです。露点は現在の空気を冷やして25°cになったら湿度が100パーセントになり、霧が出現する目安となります。

METAR RJTT 292230Z 24006KT 200V290 9999 FEW010 BKN020 28/25 Q1012 BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990

⑧ Q1012
気圧が1012HPである事を表します。
ただし、運航者にとってHPではわかりにくいので、インチである方が便利です。一番最後に A2990 と備考(RMK =remarks)で書いてあります。

METAR の構文としては以上ですが、例では補足があります。

METAR RJTT 292230Z 24006KT 200V290 9999 FEW010 BKN020 28/25 Q1012 BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990

⑨ BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990
最初に BECMG 22010KTですが、
風が少し南風で微増傾向であるという情報

RMK 1CU010 5CU020 A2990

は備考として、2種類の雲の詳細と気圧のQNHが記載されています。
雲として記載の FEW010 は 1CU010
BKN020 は 5CU020 であるとの補足
最後に QNH 1012HPが 2990インチであるとの補足です。

雲の事はまた次の機会に説明させて頂きます。