航空気象実況通報(METAR)について

全国の飛行場の天候については毎時、METAR と呼ばれる専用の通報様式で通報される仕組みが
昔からあります。

本日の08:00の羽田空港の実況を例に開設したいと思います。

METAR RJTT 292230Z 24006KT 200V290 9999 FEW010 BKN020 28/25 Q1012 BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990

上記のような記載が毎時発表されます。これはインターネットでも検索出来て、「METAR」というキーワードで検索を掛けると
出て来ます。

では内容を簡単に解説します。

①   ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮
METAR RJTT 292230Z 24006KT 200V290 9999 FEW010 BKN020 28/25 Q1012 BECMG 22010KT RMK 1CU010 5CU020 A2990

各要素に番号を振りましたので番号にしたがって解説させて頂きます。

① METAR
この通報方式がMETARであることを示すものです。航空気象通報であるという事です。
(ちなみに、他に地上実況気象通報式(SYNOP)とか海上実況気象通報式 (SHIP)など他にもたくさんの気象通報様式があります。)

② RJTT
これは地点名で(ICAO地点略号というものに準拠しています。)
羽田空港がRJTTと決められています。わかりにくいですが、どんな小さな飛行場でも決まっていて全世界共通、同じものはありません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ICAO%E7%A9%BA%E6%B8%AF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7/R

③ 292230Z
日時を表しています。
最初の2文字が日付で後の4文字が時間です。例は29日2230Zと読みますが最後のZが時間帯を表す記号で、Zはグリニッジ標準時という意味です。
航空気象通報では一般的に時間帯はZが使われますので日本の空港でもZに変換されて表示されています。
ちなみにZは日本時間よりも9時間遅れていますので、日本の朝09:00がZでは00:00という事になり、例の2230Zは日本時間07:30と読み替えます。

④ 24006KT 200V290
風向・風速を表します。
最初の3文字が風向で、真北が360°、東が090°、南が180°、西が270°という事になります。使われるのは5°単位です。決まりとして真北は360°であり、000°ではありません。次の2文字が風速で、単位はノットです。例では200V290 という表現がありますが、これは240°で発表していますが、風に幅があり200°から290°くらいです。という意味の補足がされています。
なお、無風の時は「CALM」と記載されます。

⑤ 9999
視程を表します。
視程とはわかりにくい表現ですが、簡単に言うと飛行場の視界を距離で表しています。
例の 9999 視程が10km以上あるという意味で、10km以上は視程に問題がないので9999で略するという意味です。
単位はmです。

また続きを次回したいと思います。